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トライアングル・ラブ

第29章 変えられぬもの



“ジャンッ!”という音が待ち遠しい。
しかしその反対に、その音が鳴らなきゃ良いのになんて思ってしまう。


そんな私の願いも虚しく、“ジャンッ!”という音が体育館中に響き渡った。


これ以上にない心臓の脈の速さ。
手の震え。
足の震え。

早く解放されたい。


「今年のミス・プリンセスはこの方!」


私は強くしっかり両目を瞑った。


神様!
お願いしますっ!!


最後に託すのはやっぱり神様!
私は絡み合わせている手を“ギュッ”と固く重ね合わせた。

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