
眠れぬ王子と猫な僕
第13章 哀しみの連鎖
―カランカラン♪
「いらっしゃいませ〜。こちらの席にどうぞ」
角の席に案内されて、椅子にすわる。
「このお店……可愛い…」
「でしょ〜??僕のお気に入りなんだ!」
「そういえばさ、妖巳君。その後学校はどう?」
「え、えーと、クラスの人はちょっと怖いけど、いい人だと思います!」
「へぇ。仲良くなった人いるのぉ?」
「いぅ!……あんまり( ノД`)…」
「あんな奴等と仲良くなる必要ない」
「瑛兎。妖巳にとって、交友関係を広げるのも大切なことだぞ。わかってるのか?」
冷さんが瑛兎さんに人差し指をむける。
「そんなこと。お前に言われる謂れはない」
「お前は常識が通じないからな。」
「なんだと?」
瑛兎さんは冷さんを睨み付けている。
「事実だろ?」
「お前だって、世間知らずな政治家の息子だろ」
「誰が世間知らずだと?」
「お前だよ。世間知らずな上に頭も悪いときたか」
「二人とも…喧嘩しないで?」
「二人とも!喧嘩しないで!」
愁さんと僕の声が重なった。
「うっ…。妖巳がそう言うなら……」
「愁……ごめん…」
(ね、妖巳。瑛兎に向かって、めっ、てしてごらん)
愁さんがこっそり呟いた。
とりあえず言われた通りにする。
