
恋は賭けから
第1章 波乱の予感
わ、私ったらなんて
馴れ馴れしいまねをっ!
『ご、ごめ…「いいよ」』
『…………………………』
『………………………へ?』
彼は少し振り向くと
にこっと口角を上げる。
「持ってて。
その方が、安定するでしょ」
いまだ、切るような早さで進む自転車。
確かに、こっちの方が安定はする。
だけど、心臓にはすごく悪い。
しかし、断る理由もないので
歩美はそのまま握ることにした。
やば…手が熱くなってきた…。
それがバレてないか不安で…
そしたらまた変な汗が出て
熱くなって…あああもうっ!!
私ってどんだけ免疫ないのよー!(泣)
つくづく、この遅刻のお陰で
自分がどれだけ免疫がないのか
思い知らされた。
