
俺を好きだと言ってくれ
第3章 *初恋..
職員室に入ると先生はいなくて、置き手紙と一緒にノートを机の上に置いてきた。
校門に向かって歩くと、立ちすくんでる神崎くんの姿が目に留まる。
視線の先には由紀さんと見知らぬ男がキスをする姿―……
私自身もショックだった。
由紀さんが神崎くん以外の人と………
考えたくもなかった。
「神崎くん……?」
『奥田さん………』
ハッとして振り返った神崎くんの顔は動揺してて、それでも何もなかったように笑顔を作ろうとする。
『早かったね。
ちゃんとノート渡せた?』
由紀さんたちを私には見せまいと、目の前に立ちはだかる神崎くん―…
「神崎くん……『帰ろっか』
私は何も言えなかった。
動揺する神崎くん以上に私自身が動揺してたから―…
たぶん神崎くん以上にショックを受けてる。
由紀さんは憧れだった―…
神崎くんと付き合える由紀さんがうらやましくて、いつしか憧れになってた。
この2人以上に完璧でお似合いのカップルはいないと思ってた。
なのに―………
由紀さん、どうして……?
