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これが私の仕事

第4章 第三夜

~記憶~

蘭が居なくなりもう10年が過ぎた。
俺は蘭の代わりに病院を都合と必死に勉強をしてきた。しかし、試験にことごとく失敗し医師免許も取れず、次第に医師を諦めるようになっていった。
気分が沈んだとき、必ず頭に浮かぶのは蘭の笑顔。
蘭に会いたいなぁ…なんど思ったことか。でも、自分からリタイアなんてしたくない。俺はずっと現実から逃げてきた。もう逃げたくないんだ。それなのに…
蓮「最後はガンですか…いろいろなことから逃げたツケですかね。」俺はガンに侵されていた。しかも、末期。
死んだら、死んだら蘭に会えるかな??なら死ぬのも怖くないな。
蓮「延命は望んでいません。」
延命治療の話をされたときに、俺は医師に告げた。
蓮「死にそうな時には死なせてください。」
そして…最期の日。
あぁ…俺…死ぬなぁとわかった。
不思議なことに死ぬのは怖くない。なぜか、近くに蘭が居るような気がしたから。
俺は静かに息を引き取った…

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