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これが私の仕事

第4章 第三夜

~記憶~
ここは病院。俺は、今蘭の病室の前にいる。今、蘭は山場である。きっと、もう、元気な姿を見ることができないのだろう。
蓮「ふふ…」自然とこぼれる笑み。蘭が居なくなれば、俺が上に立つ。俺が蘭の代わりになれる。
蓮「ふふふっははははっ」笑いは止まらない。しかし、それは…涙が混じりになる。
蓮「ふはは…蘭と出かけたかったなぁ…」
家族はバラバラ、俺は身体は丈夫だが頭は悪い。蘭は頭が良いが、身体が弱い。だからか、俺は家族で出掛けたことがない。
蓮「悪いな、なにもできなくて…」俺にできたのは、俺がやったのは、蘭の看病と蘭が笑顔になれるように、物を与えることだけ。
でも、それもそろそろ終わる。
一度で良いから、蘭に勝ちたかったなぁ…スポーツ以外で。
蘭の病室から医師達が。
医「すいません。手は尽くしましたが…」
蓮「わかりました。最後に挨拶だけさせてください。」
医「どうぞ。」俺は部屋に入る。もう、物言わぬ兄に対し謝り、そして…
蓮「兄さん…大好き。」俺は蘭の冷たくなった唇に唇を重ねた。
蓮「兄さんと一緒に出かけたかったなぁ…ねぇ兄さんならどこ行きたかった??俺は遊園地行きたかったなぁ。」
兄さんと最後の会話。01時間くらいして、医師達が戻ってきた。
蓮「今までありがとうございました。」
お礼を告げる。

ザァ……
記憶が  途切れる   。

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