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Memory of Night 番外編

第3章 熱々、バレンタインデー!


「ちょ……っ!」


 わけがわからず抗議しようと開いた唇に、晃の唇が覆いかぶさってくる。


「んん……!?」


 まだ溶けきっていないチョコを押し込まれ、甘ったるい味が口いっぱいに広がった。

 そこでようやく、晃の意図を理解する。


(こんなの、もう色気とかそういう次元じゃ……)


 どうやら晃は口移しでチョコを食べさせるつもりらしい。

 宵は晃から逃れようともがいたが、両手を封じられているせいで叶わなかった。

 押し込まれたチョコが二人の唾液で溶け始め、口の中に甘さだけでなく辛さも感じるようになった。

 だがそれは、予想していたハバネロの辛さではない。


(これ……酒!?)


 強いアルコールの辛さ。

 晃はチョコにブランデーでも入れたのだろうか。

 それはそれで、ますます危ないような気がする。


「ふ……んう……っ」


 晃は舌まで宵の口に押し込み、宵の口腔を蹂躙する。

 わずかに上向かされ、無理矢理チョコを飲み込まされた。

 度数が強いのか、喉が焼けるように熱くて息苦しさを覚える。

 むせそうになるのを堪えて必死に飲み込むと、口のまわりのチョコを舐めとり晃はようやく唇を離した。

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