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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


「あたし、家庭科室から取ってくるよ、キャベツ。ちょっと待っててー」

「お、サンキュ」

「ありがとー明ちゃん!」

「いいえー」


 本当は屋台の当番ではなかったが、屋台の当番決めには明も参加していたので、自分に責任がないとも言えない。

 焼きそばが繁盛しているのは嬉しいことだけれど、客に対しての読みが甘かったのも事実だ。

 明はもう一度野菜や麺、割り箸やパックなどの消耗品を確認した。

 とりあえず明らかに足りなそうなキャベツと、微妙な量の人参を持ってこようと決めて、屋台を後にした。

 焼きそばを作るための材料は、家庭科室にまとめて置いてある。明のクラスだけでなく、飲食物を扱うクラスは全部そうだ。これは学校側からの決まり事で、文化祭で扱う食材は一旦家庭科室に預け、腐りやすいものは冷蔵庫、そうでないものはクラスごとに分けられた所定の場所に保管という形を取らなければならない。そして、必要な分を必要に応じて取りに来なければならないのだ。

 面倒な決まり事だが、食中毒や衛生上の問題らしいので、仕方がないと割り切るしかない。

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