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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


「――あっれー、キャベツもう終わりそうじゃんっ」


 二年一組は校庭で焼きそばを売っている。

 午後三時すぎ、屋台の様子を見にきた明は、材料を一通り確認し、キャベツがあと一つしかないことに気付いて声をあげた。


「え、マジ?」

「マジ? じゃないよー。ちゃんと確認しなきゃダメじゃん大山!」


 ホットプレートで焼きそばを炒めながら振り返る大山を、明は軽く睨みつける。


「悪い、いやでも昼時は結構忙しくて、確認してる余裕が……」

「すみませーん焼きそば二つください」

「あ、はーい少々お待ちください!」


 明に弁明しようとするも、新たな客が来て、大山は慌てて屋台の外に向き直る。


(確かに、今日は昨日よりお客さん多いみたいだなぁ)


 屋台の外を見渡しながら、明は一人頷いた。

 土曜日より日曜日の方が文化祭に訪れる客は多いので、そのせいもあるのだろう。


(もう少し人手増やせば良かったかな)


 今屋台にいるのは三人。大山と、クラスの女子二人だ。

 一人は野菜を切っているし、もう一人は野菜を洗いに近くの水道まで行っている。

 みんな手いっぱいという感じだった。

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