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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 晃の手が胸から離れる。けれど今度は、宵の顎をつまんで上向かせてきた。

 息がかかるほど間近で、茶色い瞳に見据えられる。普段は釣りあがりめの鋭い目つきをしているくせに、今はどこか甘い色をたたえていて、なんだかドキリとしてしまう。

 だが、こんな状況で晃のペースに流されるのは嫌だった。

 宵は晃をおもいきり睨みつけた。もっとも、メイド服でバッチリメイクなんかしてちゃ、迫力も何もないだろうけれど。

 晃は宵の目前で、何かを企むように目を細め、口の端を軽く歪めてみせた。


「ご奉仕……してもらおうかな。可愛いメイドさんに」

「……ご奉仕?」


 その意味深な囁きを疑問に思う間もなく、宵の顎から指が離れ、代わりにその手は手錠に伸びる。がちゃっという音と共に、宵の手首に手錠が嵌められた。

 ようやく頭の上での晃の拘束が解かれ、宵はほっとして腕を下ろした。下がってしまっていた血が指先に集まり、手が痺れるような変な感覚がある。

 だが、ほっとしたのもつかの間だった。

 晃の手が再び宵のキュロットに伸び、布越しに股関を触ってきたのだ。

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