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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 翌日。文化祭初日である土曜日は、それはもう見事なまでの晴天だった。

 これでは天変地異など望めそうにない。

 比較的暖かい陽気も手伝ってか、宵のクラスの出し物である焼きそばは大盛況で、途中で材料が足りなくなってしまったほどだ。

 店番は交替制で、自分の番以外の時間は自由。

 宵はクラスの子と晃のクラスの出し物を見にいったり、他のクラスの出し物やイベント事を見てまわったりして過ごした。

 土曜日の文化祭は翌日の準備もあるため、十五時に閉会する。

 屋台にクラスで集まり、本日の売り上げを計算していると、ふいに明に呼ばれた。


「これ、明日のコスプレ鬼ごっこの参加者リスト。参加したいって人結構多くて全員は無理そうだったから、くじ引きで選出してみましたー」


 明はそう言って、四つ折りにした紙を渡してくる。

 宵はそれを無言で受け取り、もうこの件に関して何度めかわからないため息をついた。


「逃げないでよね」

「……俺明日風邪引く予定」

「引くな! もし来なかったら家まで迎えに行くからね!」

「うわー超うぜー」

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