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Memory of Night 番外編

第3章 熱々、バレンタインデー!


 手のひらで包まれ、与えられるのは緩い刺激。

 たまらず腰を浮かす宵の喉元に晃の舌が滑ってくる。

 舌は徐々に探る場所を変え、やがて鎖骨へ。くぼんだ部分に軽く歯を立てられた。

 宵が喉をそらして喘ぐと、晃は下肢を触るペースを速める。

 体中がぞわぞわして、じっとしていられなかった。

 宵は晃の首に両腕を絡め、引き寄せながら名前を呼んだ。


「もっとしてほしいの?」


 晃の問いかけには首を振る。


「……ずるい」


 吐息混じりに呟いたのはそんな言葉で、晃は意味がとれずに軽く首をかしげた。


「何が?」


 そのまま耳朶に唇を寄せる。

 すっぽり口にくわえ、晃は唾液を絡めるようにしてそこを濡らした。

 くちゅくちゅと、わざと卑猥な水音を立てて聴覚を犯す。


「ふ……ん」


 宵は顔を背けて晃の唇から逃れようとしたが、耳を舐める晃の舌は止まらない。

 頭にじかに響くいやらしい音は、宵の気分をさらに高揚させた。


「耳も感じるんだ。宵は全身が性感帯みたいだな。……いじめがいがある」

「いじめがいって……っ」


 恐ろしい言葉に思わず反発するが、その声は自分でも認めたくないほどに甘い。

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