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Memory of Night 番外編

第3章 熱々、バレンタインデー!


 今し方達したばかりのそこは、シャワーのせいで再び反応しかけていた。

 慌てて宵が晃の手からシャワーを奪い取ろうとする。

 だが晃は余裕のある笑みを浮かべ、宵の手をいとも簡単に抑え込んでしまった。

 シャワーはずっと注がれたまま。

 もうとっくに綺麗になったはずなのに、晃は止めようとはしなかった。

 宵は息を詰め、わずかに腰を浮かす。

 指でいじられる感覚とはまったく違うはずなのに、熱い湯が当たる感触にどうにかなってしまいそうだ。


「や……だ」


 肩を喘がせ、晃の腕にしがみつきながら絞り出すように宵が言う。


「何が?」


 宵は応えなかった。

 体を小刻みに震わせて晃を見上げる。

 きつく眉根を寄せ、唇の隙間からピンク色の舌を覗かせて見上げてくる表情は酷く扇状的だったけれど、灰色の瞳は何かを訴えていた。

 晃はそれには気づかないふりをする。


「ダメ。言葉にしなきゃわかんないだろ?」


 言いながら、晃は水の出力を最大にした。


「……っ!」


 体が大きくはねる。宵は身を退いたが、タイルに体が当たるだけで晃から逃げることはできない。

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