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Memory of Night 番外編

第3章 熱々、バレンタインデー!


 ドアが開き、外からなだれ込んできた学生とサラリーマンたちによって車両内はさらにぎゅうぎゅう詰めになる。

 注意を促すアナウンスも聞こえたが、その内容に耳を傾けている余裕は宵にはなかった。

 晃の手がそこをさわさわとまさぐり始めたからだ。

 晃は言った。


「このまま駅に着くまで俺に痴漢まがいなことをされ続けるか、明日の朝まで俺の言いなりになるっていうさっきの提案を呑むか、選ばせてやるよ。ちなみに駅まではあと十分ちょっと」


 腕時計を確認しながら、そんなことを言う。

 左手首に時計をはめていて、一瞬だけ晃の手が離れたが、時間を見終えるとまたすぐにその手は股関へ。


「やだ、そんなの……っ」


 普段からベッドの中では晃の言いなりになることが多いのに、そんな提案なんか呑んだら何をされるかわからない。

 宵は首を振った。

 途端にズボン越しにぎゅっとそこを握られる。


「……っ」

「わかった、じゃあこのままで」


 後ろはドア。右横には席を隔てる敷居があり、左横には女子高生らしき女の子が三人。

 目の前にはもちろん晃がいた。

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