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新月

第1章 普通

「ハァ…ハァ…何だよアレ」
俺は走っていた。

いや、追われていた。

「逃げろ逃げろ…ヒャハハハ」

人間の形をしているが、人間ではない

化物。

「そいつから離れろ」

化物の視界を遮るように
間に世界が現れた。

「ヒャハハハ」
だが、化物は走りを止めなかった

「残念だ…行くぞ」
無表情。冷酷な顔をしながら
言った。期待なんて無かった。
そうなのかもしれない

世界はゆっくり右手を振り下ろした
ように見えた。
それさえも見えなかった

「つまらねぇぜ」
それに見向きもせずに歩いて行く

ぶしゃぁー!
それの血が吹き出る

今気付いたが…
世界の右手には青い人魂のような物がまとわりついている

「いいぞ」
まるで吐き捨てるように言う

それを合図に人魂?が消える

「先生それ……」
思い出したかのように、
駆け寄る

「!?見えたのか?……あいつが白を狙った事でもしかしたらと思ったが」
白の言動に驚きを隠せなかった

「どういう事?先生」

「……熱がでたら保健室に来い…なるべく早くな」
静かに、重い声でそう言った。

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