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7th♡heaven(雑文集)

第4章 正倉院 the Show

2025/10/12
上野の森美術館の特別展示を観に行きました。

正倉院にある宝物の復造品(材料も技術も模倣して作られたレプリカ)が見られる展示です。

それと、正倉院が建てられた時代にタイムスリップしてそのストーリーを体感できるようなイマーシブ映像が鑑賞できました。

初めて正倉院の成り立ちを知ったのですが、
聖武天皇の妻光明皇后が、天皇所有の宝物を奈良の大仏に奉納したものなんだそうですね。

聖武天皇と光明皇后は幼馴染で、民の平和のために尽力した二人だった、と。

寄贈したものたちの中には、民の病気が治るように、ってお薬とかもあるそうですね。

光明皇后って心優しい慈しみ深いひとだったんですね。

光明皇后は「天皇のぬくもりが感じられる」彼の愛蔵品のほか、光明皇后が聖武天皇を愛していたことがわかる書も残されていました。

太古の宝物が当時のまま奇跡的に滅失せずにいまも残っているのは光明皇后の愛の力かも知れません。

奈良の大仏建立の経緯も、この展示を観たら印象が変わりました。

権力者の独断によって、多くの民を酷使して無謀なほどに大きな大仏を建てた、というイメージだったんですけど、民の力を一つに集めて大仏を建てること自体が、「人々が疫病や貧困から救われるための祈り」だったのだな、と感じました。

この展示で、私が一番楽しみにしていたのは「蘭奢待の香りの再現」です。

足利将軍や織田信長、明治天皇といった、限られた天下人だけが分け与えられた貴重な香木。

その香りを体験してみたかった。

それが叶いました。

いにしえの趣を運んでくれるミステリアスな香り。

しばらくかいでいると心が安らいでくるような静かな香りでした。

お土産屋さんでこの蘭奢待の香りカードを手に入れたんですけど、貴重な香りである故、いつ、どのタイミングで開けようかな・・とまだ開封をためらっています。

そうだ!天下取ったら開けよう。

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