
コーヒーブレイク
第3章 贖罪のとき
清水鏡子は、生徒会室の机についたものの、顔を伏せたままだ。
紫(ゆかり)がココアを人数分作っている間の、しばしの沈黙。
「会長、すみませんでした」
配られたココアを半分ぐらい飲んだところで、鏡子が口を開いた。
「署名集めてくれたんですよね」
「まあね」
「それも、なんというか『捨て身』で……土下座したとか」
してないよ。
「柔道部のマネージャーになったとか」
誰がなるか。
「……それに、裸になったなんてデマまで」
ココアを吹き出しそうになった。
そういうの、どこから漏れるんだろう?
「なぜ、そこまでして、香織のために」
「罪滅ぼしよ」
用意していたモデル答弁を話す。
「それだけとは思えません」
だめだったか。
頭のいい娘が多いわ、この学園は。
すべてを有耶無耶にできるなら、ヌードにでもなってやるのに。
まずいな。沈黙が肯定になってしまう。
「話していいんじゃないか」
久美が言う。
今は知る側になった紫も目で促す。
また、あの話か。
私の過去。
今は東郷規子を名乗る、かつての藤崎規子が、人殺しになるまでの話。
でも、しかたない。私の十字架は一生ついて回る。けして軽くしようなんて考えてはならないのだ。
「ここで風紀検査だ。ハンカチは持ってるな」
「あ、はい」
いきなりすぎる風紀委員長だった。
今回こそ、私も泣かずに話したいんだけど、その自信はない。
紫が、部屋の奥からティッシュを持ってきた。
気が利く子も多いんだな、この学園は。
紫(ゆかり)がココアを人数分作っている間の、しばしの沈黙。
「会長、すみませんでした」
配られたココアを半分ぐらい飲んだところで、鏡子が口を開いた。
「署名集めてくれたんですよね」
「まあね」
「それも、なんというか『捨て身』で……土下座したとか」
してないよ。
「柔道部のマネージャーになったとか」
誰がなるか。
「……それに、裸になったなんてデマまで」
ココアを吹き出しそうになった。
そういうの、どこから漏れるんだろう?
「なぜ、そこまでして、香織のために」
「罪滅ぼしよ」
用意していたモデル答弁を話す。
「それだけとは思えません」
だめだったか。
頭のいい娘が多いわ、この学園は。
すべてを有耶無耶にできるなら、ヌードにでもなってやるのに。
まずいな。沈黙が肯定になってしまう。
「話していいんじゃないか」
久美が言う。
今は知る側になった紫も目で促す。
また、あの話か。
私の過去。
今は東郷規子を名乗る、かつての藤崎規子が、人殺しになるまでの話。
でも、しかたない。私の十字架は一生ついて回る。けして軽くしようなんて考えてはならないのだ。
「ここで風紀検査だ。ハンカチは持ってるな」
「あ、はい」
いきなりすぎる風紀委員長だった。
今回こそ、私も泣かずに話したいんだけど、その自信はない。
紫が、部屋の奥からティッシュを持ってきた。
気が利く子も多いんだな、この学園は。
