
Injured Heart
第6章 保健室
【A wounded healer】
「じゃあな、また来いよ」
金守先生が、セーラー服姿の生徒に手を振っていた。
保健室の前、多分、泣き腫らした目をしていたところをみると、
彼女も先生に相談をしに来たのだろう
「ん?・・・えっと、高村くん・・・だっけ?相談?」
不意に先生が振り向いたので、
高村は身を固くしてしまう。
相談をしに、来たわけではなかった。
「いや・・・」
そういう高村に対して、少し目を細めると、
先生は彼を相談室に招き入れた
「お茶でも飲んでいけよ。相談なくて、暇だからさ」
ことん、とペットボトルのお茶をガラスの湯呑みに入れて出してくれる。
「別に、悩みがなくちゃきちゃいけない場所じゃないしな」
そう言って、笑った。
ー傷が・・・視える
心臓の上、まるで赤い花が咲いたように
ジクジクと血が滲み
肉が剥き出した、癒えていない、生々しい傷
金守先生が着任した日、
全校集会で彼を見たときはすでに、視えていた。
きっと、深い、深い、傷
「ん?どうした?」
出されたお茶に手を付けずに、じっと見つめていたのを奇妙に思ったのか、
先生が首を傾げた。
柔らかい笑み
落ち着いた、態度
いろんな生徒たちが、悩みを話そうと思う気持ちが分かる気がした。
「あ・・・っと・・・」
高村は、こうなることを予想していなかったので、なんと言っていいかわからない。
でも・・・
「先生の相談は・・・誰が、聞いてくれるんですか?」
そう言っていた。
金守先生はきょとんとして、自分を指差す。
少しだけ間があって、
高村の言わんとしたことを理解したのか、
薄く笑った。
「いろいろ・・・かな?
同僚に話したり、自分で考えたり、
先生にも先生がいるから、その人に相談したり」
そして、
なにか気になるの?
と。
「じゃあな、また来いよ」
金守先生が、セーラー服姿の生徒に手を振っていた。
保健室の前、多分、泣き腫らした目をしていたところをみると、
彼女も先生に相談をしに来たのだろう
「ん?・・・えっと、高村くん・・・だっけ?相談?」
不意に先生が振り向いたので、
高村は身を固くしてしまう。
相談をしに、来たわけではなかった。
「いや・・・」
そういう高村に対して、少し目を細めると、
先生は彼を相談室に招き入れた
「お茶でも飲んでいけよ。相談なくて、暇だからさ」
ことん、とペットボトルのお茶をガラスの湯呑みに入れて出してくれる。
「別に、悩みがなくちゃきちゃいけない場所じゃないしな」
そう言って、笑った。
ー傷が・・・視える
心臓の上、まるで赤い花が咲いたように
ジクジクと血が滲み
肉が剥き出した、癒えていない、生々しい傷
金守先生が着任した日、
全校集会で彼を見たときはすでに、視えていた。
きっと、深い、深い、傷
「ん?どうした?」
出されたお茶に手を付けずに、じっと見つめていたのを奇妙に思ったのか、
先生が首を傾げた。
柔らかい笑み
落ち着いた、態度
いろんな生徒たちが、悩みを話そうと思う気持ちが分かる気がした。
「あ・・・っと・・・」
高村は、こうなることを予想していなかったので、なんと言っていいかわからない。
でも・・・
「先生の相談は・・・誰が、聞いてくれるんですか?」
そう言っていた。
金守先生はきょとんとして、自分を指差す。
少しだけ間があって、
高村の言わんとしたことを理解したのか、
薄く笑った。
「いろいろ・・・かな?
同僚に話したり、自分で考えたり、
先生にも先生がいるから、その人に相談したり」
そして、
なにか気になるの?
と。
