テキストサイズ

愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第6章 家出

私は思い切って叔父さんに相談しようと電話をかけた。でもいつまでたっても出ないため、直接会社まで行くことにした。



(部屋を変えてほしいなんて言ったら、心配させてしまうだろうか……)



なるべくなら叔父さんに迷惑はかけたくない。
叔父さんは頼っていいと言うけど、本当に忙しい人だから……。



受付を通って、エレベーターで45階まで行く。
そこに叔父さんの社長室がある。



一回しか来たことないけど、確か社長室の扉の前には警備ロボットがいたはず。でも今日は見当たらない。



「叔父さん? 祐子です」



扉に声をかけるが、返事がない。
ノックをしても反応なし。



(いないのかしら……。でも受付の人は社長室にいると言っていたし、私が来ることも伝えているはず)



試しにドアノブを回すと、すんなり開いた。



「……叔父さん?」



そっと部屋の中を覗くけど、誰もいない。



(どこ行ったのかしら……)



キョロキョロしていると、奥の部屋からカタンと音がした。
その部屋は叔父さんが寝泊まりする部屋だ。
流石に勝手に開けるわけにはいかない。
でも次の瞬間、私は自分の耳を疑った。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ