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愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第3章 新たなヒーロー

そのあとすぐ、駆けつけた警官ロボットによって触手モンスターは倒された。
私は彼に支えられて、バスを降りる。



「……あの、助けてくださりありがとうございました」



(まさか触手モンスターに襲われるなんて……。彼がいなかったらどうなっていたか……)



「礼には及ばぬ。人々を守るのが、我らの役目だ」

「えっ……」



私は彼をじっと見た。



(やっぱり彼はヒーローだったの? でもヒーロースーツじゃないし、素顔だわ……)



彼はすぐに去っていった。
そして人混みに紛れていなくなってしまった。



(もういなくなっちゃった。もっと話したかったのに……。彼の体温、温かかったな……)



「ゆ〜う〜こちゃんっ!」



その時、後ろから肩を叩かれた。
この声は……。



「花梨……」

「ねえねえ、今の誰〜? 超イケメンじゃん!」

「花梨、どうしてここに?」

「やだ、祐子ちゃん。ニュース見てないのぉ? 花梨の住むМ地区、陥没して封鎖されちゃったから、こっちに避難してきたんだよ〜」



そう言う花梨の足元には、確かにキャリーケースがあった。



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