
微熱に疼く慕情
第10章 【囚われない愛と持続的な関係】
「ダーメ、今日はうんと甘やかされてください」
「えっ……?」
「旺志郎くんを楽しませたいの、だから気にしなくて良いよ、私、運転好きだし、隣に旺志郎くんが乗っててくれるだけで私は楽しいよ」
そう言って笑顔を見せたら身体ごとこっち向けてくる
ん…?あ、ヤバ……
逆に手首掴まれてほんの一瞬……
チュッと唇が触れ合う
誰も居ない駐車場だったけど、おや?早くない?
「あ、すみません、変なタイミング…」
「え、あぁ……うん、だね」
ねぇ、こっちはキス止まりでずっと耐えてた身なんですけど……不意打ちはルール違反じゃないですかね?
お互い、顔が真っ赤じゃん……
付き合う直前か!ってツッコミたくなる
まぁ、この雰囲気、まだまだ愉しもうかな
「ほら、行こう?」
「は、はい」
少し曇ってきてて日差しは運良くなかった
お店までの道のりを私から手を繋ぐ
「ねぇ、それ伝染るからやめてよ」
「あっ……すみません」
「それと、敬語禁止」
「え?そんな…」
「プライベートなんだし、年の差感じちゃうから」
「わ、わかり……わかった」
急に緊張しないでよ、そのうち慣れてもらうから
触れ合いコースと触れ合い+肩乗せコースがあって
勿論、+肩乗せコースを選んだ
「え、本当に大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「じゃあ、それで」と店員さんにお願いしていた
入った瞬間から思ってたけど本当に独特な雰囲気のお店
早速フクロウを見つけてはしゃぐ私
「え、旺志郎くんが行きたいって言ったのに何で本人がビビってんの?」と思わず笑ってしまう
「は、初めてだから…」って私もだよ
真っ白なフクロウを見つけて2人して
「ハ◯ーポッターみたいだね」って同時に言って笑い合う
