微熱に疼く慕情
第8章 【壊れていく劣情】
え、じゃあ、ちょっと待って……
全部わかってて先輩は、私に距離を置こうと言われてどれだけ不安だったんだろう……
だから他の男に行くんだろうって言ってきたのか
私が浮気してるの責めずに飲み込んだの…?
「謝らせたくて話してるわけじゃないよ、一華、こっち見て?」
ゆっくり顔を上げると優しい先輩の視線と重なる
「なんて言えば良いかな……確かに、一華が俺以外の男と2人きりで会ってたりこの家にあげていたりするのは正直言って良い気はしなかった……でも、彼と話してみてずっと抱えてた怒りや妬みがびっくりするくらいスーッと消えていったというか…」
何を話したのよ、大智は……
「一華を失いたくない想いが重なって……自分でも驚いているんだけど……惚れた身としてわかる部分がいくつもあって……」
え……?何の話……?
凝りもせず後ろからハグしてくる大智は
「面倒くさいから仲良くなっちゃおう…的な?」
って堂々と言う
頭おかしいよね……多分
いや、私がおかしいのか?
自分の蒔いた種だ、回収せねば……いや、無理!!
そんな大智を引き剥がす先輩
「今の彼氏は俺だから」
え、そのマウント合ってます?
あかん、頭がバグってきた
正常に動かない
今日……仲直りするんだよね?
こんな話し合い聞いてないです
お洒落だってしたのに……
エロい下着だって新調したのに……
どうなっちゃうの?これ……
「一華……俺の事、好きならキスして?」
「え…?正気……ですか?」
「正気だよ、見せつけようよ」
「えっ……んんっ」
否応なく先輩から重ねてきた
「さっき彼が触れてきたの消毒しなきゃ…」って舌を割り入れてくる
両手は握られて抵抗出来ない
ちょっと待って……これ……
とんでもなくヤバい状況じゃない……!?
もうショート寸前だよ……
それなのに……
右側に感じる大智の気配に身体は火照っていく……
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