
奥深くナカに注いでください…
第16章 【もしもの、世界で寝取られたら…】
「すみません、まだ返す目処がついてなくて…」
「そんなこったろうと思ったよ、で、これからどうするつもりだ、私もそんな待てないよ?誠意を見せてくれないと」
「はい、申し訳ありません」
借金が膨らんでコイツにも声を掛けざるを得なかった
他の人からも借りてる事を知ってからは、こうしてネチネチと自宅に来ては居座るようになってきた
リビングに飾ってある昔の家族写真を見て
「娘さんは今、幾つだ?」と聞いてきた
「今年で16歳になります」
「ほぉ、高校生か、そんな大きな娘が居たんだな」
「は、はい」
「何かとこれからお金も掛かるだろう、家計は火の車だな」
酷く呆れたような眼差しを向けられ、本当なら腸が煮えくり返る思いだ
グッと堪えて時間が過ぎるのを待つ
早く帰ってくれ
コツン…と目の前のテーブルに置かれた小さな小瓶の中に液体らしきものが見える
「今度、娘さんに会いたいなぁ」
「え?」
「お父さんの頑張ってる姿見せたいだろ?」
「は、はぁ……」
「次の日曜日、14時にまた来るから、その直前あたりでコレを1滴2滴飲み物に垂らして娘さんに飲ませると良い」
「え、コレは何ですか?」
「まぁ、わかるだろ?ビタミン剤とでも言っておこうか」
それ以上は聞くな、という圧
身体に害はないと言われてもわけのわからないものを飲ませるなんて……
その代わりと言っては何だが、返済は待ってくれるみたいだ
そして、俺はピンときている
コレがどういうモノなのか
約束の日曜日、荷物が届くから家に居てくれと無理やり頼み、娘を留まらせた
帰って来ると「私、家に居なくて良かったじゃん」って遊びに行こうとするのを必死に止めて買ってきたジュースを飲ませた
