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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第5章 ドクター・マックスの黒いウワサ


「見ろよ、ニック! ここにもぶつかった跡がある、直線的じゃないし、岩の破片も見当たらない、デブリよりも大きいんじゃないか?
 いろんなところを飛び回ってるように思えないか?」


マーティ機が指差す方向のディスプレイを拡大していく
確かに浮遊したデブリや隕石のたぐいでは無さそうだ

「マーティ、お前さんの言いたいことはわかった、確かにこれは普通じゃない
 方向性がバラバラなのもおかしいな、
 まるで……ケモノ道だ
 あたりをぶつかりながらウロウロしてるみたいだぜ」


……何が?


ニックはマーティに言っておきながら自分でも何を言ってるんだ?と自問した


スペースコロニーの外壁の上を、なにが這い回ってるって言うのだ

「ニック、もうちょっとだけ待ってくれ!
 いま取り込んだ画像を事務所に送信してるから!アップロードかま終わったら一旦戻ろう!なんだか気味が悪いッ」


さすがのマーティもようやく及び腰となってしまっていた

「ああ、わかったよ相棒!だが早くしてくれ
 オレは早くアガりたいんだ」


ニックは待ってるあいだ周囲の警戒をするため外壁づたいを見回ろうとしていた

すると何かが視界の先に動いている


一瞬すぎてわからない

銃を片手にゆっくり近づく


ニックに緊張が走る


“おいおい、テロリストが爆弾仕掛けてるとか言わないでくれよ? 元ジオン兵同士仲良くやろうぜ? 戦争が終わってオレは連邦傘下の企業に潜り込めた、いつまでもお前さんのように戦争ごっこしてるわけにはいかねぇんだよ
 昔の馴染みじゃねぇか!
 出てくるんじゃねぇぜ?”


ニックは願い事でもするかのように物陰に潜む何がにゆっくり接近する


そして


バッ!と飛び出して銃を構える!


すると目の前には信じられないものが見えた

てっきり古ぼけた旧ジオンのモビルスーツだと思い込んでいた


「さ、サメ………??????」


モニターには宇宙空間を泳ぐ巨大なサメが映っていたのだった



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