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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第3章 シモンズ・シモーヌ


「あぁ、アンタが噂のルイーズかい?
 トーマスはアンタの話しばっかりしているよ、いつもアイツの相手してくれてありがとうね
 アイツが無茶言い出したら私に言ってくれよ、エアロックから突き飛ばしてやるから!」


シモンズは部下の夢中になってる人を尊重した


「いえいえ、そんな!トーマスは私の息子とも仲良くしてくれて本当に助かっています
 妙に絡んでくる他の客を追い返してくれたりもして、店の人間も感謝しているんですよ

 彼が小隊の3人の写真を見せてくれたことがあって、もしかして…?と思ったの
 以前から会いたかったのよ、隊長さんにも御礼を言いたくて!」


ルイーズは明るい髪色に染めた派手なパーマをかけていたが昼間のせいか化粧っ気もなく、顔立ちは清楚な女性に見えた

“こんなにも素っ気ない人でも夜の仕事となったら化粧して派手な雰囲気になるんだろうか?”
とあまり馴染みのない世界の女性を前にしてフィルは彼女を凝視してしまっていた


シモンズは彼女と会話を楽しんでいるようだったが、フィルの片腕を絡めたままずっと離さなかったので、きっと勘違いさせているだろうな、と思う


「アイツがアンタに迷惑を掛けてなかったらそれでいいんだよ、このコロニーで女が生きていくのは大変だろう?男なんて利用でるだけ利用しちまえばいい、トーマスがアンタを気にかけてるのが何となくわかってきたよ?
 アンタはやさぐれてなさそうだからね、
 子供もろとも守ってやりたくなるんだろうよ

 ところでこんな昼間から宇宙港で何してるの?ゆうべもトーマスと一緒だったんだろう?」


「ええ、トーマスは息子の相手をしたまま眠ってしまってたわ! わたしは先週から昼間の仕事を見つけたの、短時間だけど港の管理会社なの

 ああ、そろそろ行かなくっちゃ!
 隊長さんもいちどお店に寄ってね
 お代はいいから! カレシくんもね」


そう言ってルイーズは深々と頭を下げて行ってしまった


「ほらっ!勘違いさせちゃったじゃないですか!?どうしていつまでも腕から離れないんですか!」


「いいじゃないか!ちょっと私も見せつけたかったんだよ!」


こういう密着する態度をとるシモンズのスキンシップがクレリアを怒らせているんだろうな、

とフィルは改めて考えさせられたのだった


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