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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第3章 シモンズ・シモーヌ


宇宙港

ドッキングベイとも呼ばれるコロニーの接岸部

シリンダー型コロニーの両端に位置しており、回転運動による人工重力の影響を受けないため航宙艦がスムーズに接岸できる宇宙の港湾施設である


おもにコロニー公社が管理しているのだが、25バンチコロニーのように公的に廃棄された場合借り主である連邦軍が管理することもあった


現在25 バンチコロニーのドッキングベイは実質的に連邦軍の基地である


「フィル、荷物はどこに預けたんだい?
 検閲?税関?まさか防疫じゃないでしょうね
 イヤだよ、変な病気とか持ち込んでたら!
 私も隔離されちゃうじゃないッ!?」


軽口を叩いているシモンズだが、フィルには最後まで面倒を見てやると言った義理堅さが感じ取れていた


「それらはすべてパスしてますよ!
 預けたのはカウンター近くのロッカーです
 そんなに荷物は無いので……」


フィルがロッカーキーをちらつかせるとシモンズはさっとそれを取り上げた


「じゃあもう少し付き合ってよ!
 どうせアイツらは当分戻ってこないし、ひとりで基地に戻っても退屈だしさ?
 それとも……早くクレリアの元へ行きたいかい?」


シモンズは笑いながら茶化した


兵隊のシモンズもこんなに愛嬌ある人なんだな、とフィルはギャップを感じた


目元はややキツめの化粧をしているためか、強気で勝ち気な印象を持っていたが、年相応の明朗さを備えているようだ

歳はクレリアとそう変わらないのだろう

第一印象の冷たい兵士ではなく、表情豊かなお姉さんという印象に変わりつつあった


「宇宙港も広いですね、ゲートが幾つもあるし
 でも係留してあるのはみんな軍艦ですね
 サイド7では商船や輸送船、旅客船も見かけましたが此処はやはり軍の基地なんですね」


連邦軍が丸ごと借り上げたこのコロニーは訓練施設であると同時に開発工房も兼ねている

さらにサイド1全体の保安面でその存在意義が強く、特にロンデニオンコロニーの警備基地も兼ねていた


「来るものすべて軍の関連ばかりだろ?
 息苦しくって仕方ないよ、アンタのような民間人とこう話す機会もあまり無いからね
 私はフィルと話してるだけでも楽しいんだよ」


可愛い人だな、とフィルは思った


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