
diary
第7章 初めての入院生活
「さーちゃん?これで目とか冷やしな。あとで目が腫れて痛くなるからね〜」って私の顔に保冷剤を当てて佐藤先生がそう言った
私はビクッとして少し顔を逸らしたがありがたく保冷剤を受け取って目に当てた
「さーちゃんごめんね〜、千葉先生いつもあんな感じだから怖いでしょ?笑、でも根は優しい先生だから大丈夫だよ!それに凄く腕が良くて賢くて優秀なドクターだからね〜、でも子どもたちにはやっぱり怖いから千葉先生見ただけで泣いちゃう子もいるんだよね〜、本当に不器用な人だから優しさが伝わりづらいんだよ笑、特に子ども相手にはね」
って佐藤先生が落ち着いた雰囲気でそう言った。怖いけど根は優しいんだろうなって思う。さっきだって千葉先生が離してあげてって言ってくれたおかげで顔を隠して視界を遮ることで少し嫌だった気持ちが無くなったから
でもやっぱり怖すぎるし恐怖心には抗えない。
「ね、さーちゃん!先生達まだちゃんとさーちゃんの声聞いた事ないからさ何でもいいから話てよ!悪い人はいないからね?少し怖い人はいるけど笑」
って佐藤先生が苦笑いしながら言った。
「ついでにだけどご両親の事とか聞ける?同意書が必要な検査とかあるし連絡先を昨日あの背の高い男の子に聞きそびれちゃったからさ教えてよ笑」って言われた
初めて話すから凄く悩んだ。声を出して言うかそれとも近くにあるペンと紙を使って教えるか。私のスマホはどこにあるかは分からないし
少し周りを見渡すとペンも紙も近くならなかった
私は勇気を出して小さな声で言った
「ペンと髪を貸してください」って。
佐藤先生にはちゃんとそれが聞こえていたみたい。
「ペンと紙ね、ちょっと待ってね〜」って言うと白衣のポケットから小さい手帳とペンを出して私にどうぞと渡した
私は父と母の電話番号を記入した。
「これです。父も母も忙しくて繋がりづらいですがどちらかと言うと母の方が繋がりやすいと思います。」と言って先生にペンと手帳を返した
