テキストサイズ

はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』


仁がそう言いながらも、
すき焼きの鍋が乗って居る
カセットコンロに火を付けて。

セルフですき焼きを作る感じだったから。

薄切りの霜降りの姫島牛のスライスの横に、
牛脂が添えてあって。

温まって来たすき焼き鍋に、仁が
牛脂を入れて溶かしながら脂を広げて行く。

『真奈美ちゃん、玉子の用意しておきなよ。
お肉…すぐに食べられるよ?』

「あ、はい…ありがとうございます…」

仁がそう真奈美に声を掛けて来て、
火が通ったらすぐに
食べさせてくれるつもりで居るみたいだった。

小鉢に用意されている卵を割って、
割った玉子を溶き卵にしていると。

自分の分の小鉢も
こっちに差し出して来たから。
真奈美がそれを受け取って、
仁の分の小鉢の玉子も割って
すぐに食べられる様に用意をしていると。

じゅうう…とお肉が焼ける良い匂いが、
部屋の中に広がって充満していて。
自分の口の中で、そのお肉を頬張る感覚を
その食欲を刺激する匂いが刺激して来る。
唾液が口の中に沸いて来るのを感じる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ