
ミニチュア・ガーデン
第4章 幸せへの崩壊
「ラーク……」
ガルクは何も言えなかった。何を言っても、彼には届かない。愛を囁いても、謝罪の言葉を羅列しても、壊れてしまった彼には届かない。
彼の望み通りに死なせてあげようか。そう思った時だ。
鍵を開ける音が聞こえ、ガルクは思わず身を隠す。それは周囲から見えなくしただけで、実際は目の前にいるのだが。
扉を開けた看守二人は、車椅子を押して入って来ると、グラグラと安定しない体を壊れ物の様に慎重に扱い車椅子に座らせ、手と足に手錠をかけて連れて行った。あんな状態の彼を連れて行っても、真実を喋るとは思えないが、手荒な扱いはしていない様子に、ガルクは黙って後ろをついて行く事にした。
「殺して。死なせて。殺して。死なせて……」
彼はぶつぶつと繰り返し、看守は顔を歪ませる。
開いているのに現実を映さない濁った瞳も、枯れ枝の様な腕も、見慣れるものではない。本当ならば刑務所ではなく、病院にいるべきなのだから。
彼が連れて来られたのは、面会室だ。そこでは刑事が待っており、何を聞き出そうとしているのか、ガルクには疑問に思う所だ。何かを聞き出すよりも、治療が先のはずだ。
ガルクは何も言えなかった。何を言っても、彼には届かない。愛を囁いても、謝罪の言葉を羅列しても、壊れてしまった彼には届かない。
彼の望み通りに死なせてあげようか。そう思った時だ。
鍵を開ける音が聞こえ、ガルクは思わず身を隠す。それは周囲から見えなくしただけで、実際は目の前にいるのだが。
扉を開けた看守二人は、車椅子を押して入って来ると、グラグラと安定しない体を壊れ物の様に慎重に扱い車椅子に座らせ、手と足に手錠をかけて連れて行った。あんな状態の彼を連れて行っても、真実を喋るとは思えないが、手荒な扱いはしていない様子に、ガルクは黙って後ろをついて行く事にした。
「殺して。死なせて。殺して。死なせて……」
彼はぶつぶつと繰り返し、看守は顔を歪ませる。
開いているのに現実を映さない濁った瞳も、枯れ枝の様な腕も、見慣れるものではない。本当ならば刑務所ではなく、病院にいるべきなのだから。
彼が連れて来られたのは、面会室だ。そこでは刑事が待っており、何を聞き出そうとしているのか、ガルクには疑問に思う所だ。何かを聞き出すよりも、治療が先のはずだ。
