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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第11章 眠り姫  【過去編】



「これで文句はなかろう?アビゲイル」


ハルフォードは吐き捨てるようにコックピットの中でつぶやいた


すると地上でキアラを担ぎあげている大柄な女戦士、アビゲイルはそれが聞こえたかのように返事をした


「素直じゃありませんね、大佐」


アビゲイルがキアラの顔を覗き込む

骨折しているキアラの弱々しい目つきにアビゲイルは愛嬌を振りまくようなウインクをした


「安心しなさい、わたしはアビゲイル
 貴女はよくやったわ」


「………? キサマは一体……?」


キアラが怪訝な表情をしたがすぐに気を失ってしまった


「アビゲイル、そいつはお前に預けたぞ?
 せいぜい鍛えてやるがいい」


ハルフォードが先ほどと違って外部スピーカーを使った


「うるさいわね、そんなに大きな音を立てなくても聴こえているわ!私を誰だと思っているの?
 それにせっかく大人しく眠ってくれた“眠り姫”が起きてしまうじゃない?」


ハルフォードはコックピットに大写しされるアビゲイルの顔を見ながら再びため息をつく


「せいぜいその女を鍛えてやるといい、なんせ地下で眠ってばかりで今にも折れそうな華奢な身体だからな、お前のように逞しくさせてやってくれ!」


ハルフォードが吐き捨てるかのような言い方をする


するといつの間にかコックピットハッチの搭乗口にもう一人の女が座っていた


女? いや、見た目はまるで少女のように小さい身体だった


「大佐? 空港で捕らえたネズミ3匹はどうされますか?」


「キアラが手に入ればこちらのものだ、せいぜい月に残念な報告をさせればいい、ほおっておけ」


「かしこまりました、……しかしあの女をキアラと呼ぶのはいかがなものかと?あれはキアラのでき損ないですわよ?」


「それもそうだな、エミリーに任せる
 お前が名付け親になってやるがいい」


「……そうですわね……、空から降りてきた天女……、“オーロラ”はいかが?」


「かまわん、ではそいつは今からオーロラと呼ぶことにする!帰還するぞ!」




こうしてハルフォードは私設軍隊ゼントリックス軍を立ち上げ、事実上トルコ軍を制圧した



これがオーロラとハルフォードの出会いの物語であった……



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