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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第8章 マシーンと少女


黙っていたオーロラが言葉を補足する


「世界中で作られたとは言え、それでもまともな者はごく一部……、

 ほとんどは気がふれておかしくなってしまった者ばかり、ようやくまともな者を見つけてもすぐに戦場で消耗品のように使い捨てられてしまう

だから数は希少なのだ

さらに言うと彼女たち〈エターナル・チルドレン〉のために開発されたカタストロフ・マシーンはもっと貴重なのだ

 プロトタイプの研究が月面で行われていたきろくはあるが、その消息は不明

 すぐにジオンによる戦争も始まったしな、
 それどころじゃなかったのだろう

 キアラのコピーデータが闇の世界で売買されていた頃、マシーンのデータが秘密裏にあるという黒い噂も出始めて、戦争もあって買い手はゴマンと居るが、そのデータが本物かどうかだれも怖くて手が出せなかったのだ」


「それを黒海警備隊のハルフォード提督が海峡出で手に入れた、と?」


「提督いわく、いくつも偽物を掴まされたそうだよ、笑えるだろ?
 そのうち暗号だらけでなんのデータかわからないものがあってな、

その暗号を解いたのが私だった、

 提督はデータに基づき、カタストロフマシーンの開発を私に一任したんだ

これでハード面のマシーンと、ソフト面のキアラが提督の手の中に揃ったというわけだ

ただし……、空からアイツが降りて来るまではな」


「あのデカぶつか!? ブルガリアのネセバルに降りてきた……」


「アレはもしかすると月から来たのかもな、
 そうとしか考えられん
 連邦や田舎の軍隊がアレを手に入れたとしても建造までは出来ないだろう

 そして問題のもうひとつがあの下から上がってきた連邦の量産モビルスーツ

 あのパイロットは普通ではない

となると、私たち以外にもハードとソフトを揃えた者が居るかもしれないのよ
 それは、大きな障害となる!」


「まぁ、どう見てもおともだちってわけにはかなさそうだったな」


「そこで提督は緊急にこちら側のプロジェクトを早めに始めることにしたわけ」


「それがアゼルバイジャンにある、てか?」


「だから、私も外に出られた!」

少女は楽しくてしようがないといった雰囲気で笑っていた

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