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あさいらむーんのひとりごと

第56章 2025年7月

「全裸族」

「あの子、家ではいつも裸なんですよ」

前の職場のスタッフから聞いた

なんでもふたりで同居してる相棒は自宅では常に全裸なのだそう

今のような暑い夏の日になると、よくそのことを思い出す


「わたしは部屋着を着てますよ
 食事の時もテーブル挟んで、わたしは服を着てご飯を食べて、向かいであの子は裸のままなんです」


なんで?て聞いても、その子もわからないそうだ

一緒に暮らし始めた当初は風呂上がりのまま、なかなか服を着ないなぁと思っていたら、

出掛ける直前まで服を着ていないんだそう

今は見慣れたので何も思わないのだとか


当時ボクは一人暮らしをしていたけど、昔からお腹を壊しやすかったので、全裸生活はしたことがない

誰からも見られることもないけれど、
家の中でも服は着るものだと思い込んでいたから、その子の話しは衝撃的だった


仕事用のワイシャツを部屋でアイロンを当てているときも裸なのだという


なんだか奇妙な感じもする


数年後、

会社は倒産して当時失業保険生活になった

暑い夏の日、そのやりとりを思い出して当時ボクもマネして少しの間全裸生活を試してみたことがある

アパートは3階で下から見えることはない

テレビ見たり、パソコンで作業しながら部屋の中で全裸で過ごしていた


でも、

やっぱりなんだか落ち着かない


解放感

よりも

お腹の冷え、のほうが気になって仕方がない


当時ブログをやっていて、やりとりしていた主婦さんが食いついてきて

「どんな感じなん?写メ送ってみて」

と言われたので

部屋の中で自撮りしたのを送った

正面からじゃなく、背中からお尻にかけて
部屋で立っている姿


「おしりまる見え!笑える!」

と言われた


でもやっぱり全裸生活は長続きしなかったな


動くたびにブラブラして、落ち着かない

やっぱり夏でも服は着なくちゃいけないのだ


ボクには合わなかったな


夏の暑い日、ひとりで部屋で過ごしてるとき
たまに思い出すのでした

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