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あさいらむーんのひとりごと

第45章 とつぜんですが

「同じ病室の人たち」


今の大部屋(4人部屋)のうち、ふたりは歩けない

ひとりは言語障害が出ていて会話が出来ない


みなさん70代から80代くらいかな



昨日、ひとりの方に奥さんが面会に来られていた


カーテン越しになにやら揉めている



聞いたら駄目だと思うが聞こえてしまう


見てはいけないと思ったので、こちらのカーテンを引いておく


「ジュース買ってきましたよ、飲みますか?」


「うるさい、持って帰れ!」



うわぁ、めちゃくちゃ旦那さん怒ってるわ



そのあとも何やら話しをしている


「そんな気ないからね、気分なんて悪くしてないからね」


「うるさい!黙れ!」


「帰ったほうがいいですか?」


「帰れ!」



奥さんはすごすご帰っていった



旦那さんはブツブツ言って、まだ怒ってる


そのあとリハビリのトレーナーさんがやってきた



「◯◯さん、リハビリの時間が変更になりました、△時からお願いします」

と言われていた


まだ怒りが治まってないのになぁーー!


ふだんは優しい応対をされる方なんですけどね

温和な方


すこし鬱っぽいのか、ベッドに腰掛けてカーテンをジィっと、見つめてばかりいる方なんです



でも今日はトレーナーさん、タイミング悪かったね



「今日はやらない!」


「えっ!?」てなってた




そういえば、あの奥さん先週も着てて、服を持ってきてたのに、受け取らず追い返してたな



夫婦のことなんで、べつにいいんですが



いろいろタイヘンそう



前の病室のときもお隣さんとお向かいさんがめちゃくちゃ仲が悪くて、とても険悪な雰囲気の病室内でした


こちらに移って、解放されたけど



あのふたりはまだ居てるんだろうなぁ



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