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あさいらむーんのひとりごと

第45章 とつぜんですが

「母の日」


忙しい時期に入院してしまい、職場の人に迷惑をかけている



ゴールデンウィーク商戦

母の日商戦



これらに向けて、何ヶ月も前から仕入れだったり、特設売り場だったり準備してきたのに



肝心のときに戦線離脱なんて、

合わす顔がない





まぁ、いま復職も出来ない状態なので無理しても足手まといなだけだ



リハビリを重ねるしかない



手足は動けるようになってきたけど


こないだトレーニング中に気付かされた事がある





走れない




左右の足の動きが違うので、態勢が保てない


なんというか


左の車輪が小さくて、

右の車輪が大きい、馬車のようだ




走ったら身体がチグハグになっていく



さらに麻痺が残るほうの右足は走り出したら、止まらなかった



ゴール地点を飛び越えて、向こうの壁までまったく止まれなかった


自分の身体なのにコントロール出来ない


ちょっと恐ろしい気持ちになる



入院してる事は田舎の親には伝えていない



何年も会ってないし、連絡もしていない



いわゆる絶縁状態だ



ボクのほうから愛想を尽かした



コロナ前に一度、母が痴呆で徘徊して溝に落ちて怪我をするした、と父から連絡が来た



その時点ですでに10年帰ってなかったが、さすがに状況が状況なので親のところへ行った



親はすでに引っ越しをしていて、ボクには何の馴染みのない町だった



会ってみると母は涙を流していたが、特にケガなどしていなかった



父だ



父は理由をつけて戻ってこさせたのだ


ボクはめちゃくちゃ腹がたって、親をののしった



そんなんだから、連絡しないのですよ?


そんなんだから、帰らないのです



もう絶対に会わない、と言い捨ててその知らない家を出た



いまでも思い出しただけでも、腹が立つ



子どもに甘かったうちの親は


自分自身にも甘いのだ



あれから連絡も来なくなった



それでいい


これを読んで、気を悪くした人がいるかもしれないが、ゆるしてほしい



家庭にはさまざまな形があるのだから




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