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スミカ

第1章 105号室

「やべ……飲み過ぎた……」


自分のアホな行動に失笑する。
そしてドアを閉めようとした時、ふと何かの気配を感じ、俺はドア下の隙間を見た。


「…っ!」


隙間から赤いハイヒールが覗いていた。
びっくりして一度目を反らすが、再度見ても、やっぱり赤いハイヒールはそこにあった。


「……」


一気に酔いは冷め、全身の血の気がひいていく。


外は真っ暗だ。
なのに赤いハイヒールだけは、その存在を示すかのようにはっきりと見える。


なんでこんなところに赤いハイヒールが?
扉の向こうに誰かいるのか?
フィリピンパブの女?
それとも……


すぐそこに立っているハイヒール女の息遣いが今にも聞こえてきそうだった。


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