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シャイニーストッキング

第2章 絡まるストッキング1

 93 武石健太 ②

 でも、本当に、ある意味ストーカーだな…

 この前ゆかり先輩が軽くそう言って笑っていたが、一つ間違えたら、いや、ゆかり先輩の様な『姫』気質でなければ、ストーカーとして嫌悪されていたかもしれないのだ。

 本当に女王様、姫、そんな気質のゆかり先輩でよかった…
 ここまでは偶然という流れによって本当に全ては上手くきている。

 だからまた、しばらくは、このまま、これからもこの流れに乗っていけばいいのだ…
 と、自慰行為により昂ぶりの鎮まり冷静になった自分がそう思っていたし、新たにそう思いながら、ようやく眠ったのであった。
 
 
 そして朝目覚めるとスッキリしていた。

 この眠れば気持ちを切り替えられるということ…
 これがまた自分の良い面であり、都合の良い性格でもあるのだと自覚していた。
 
 とにかく今日から頑張ろう、きっといい流れになっていくはずだから…

 と、すっかり気持ちは前向きになっていた。
 また、『姫』佐々木ゆかり先輩と一緒に過ごせる日々、いや、一緒に仕事をしていく毎日が新たに始まると思うと、胸のワクワクが止まらなくなってきていたのである。
 そして出勤する。


 今まで所属し、通勤していた本社は丸の内にあった。
 だが、今日から通うコールセンター部のある副都心は、自宅から歩ける様な僅か私鉄二駅の近距離なのだ。
 だからいつもよりゆっくりと余裕を持って自宅を出たのだが、定時30分前には到着してしまったのである。

 でも今日がここでは初出勤だから、早目でもいいのか…
 そう思いながらエントランスを通りエレベーターに向かうと、周りは女性ばかりなのだ。

 うわぁ、そうか、コールセンターだからオペレーターは皆、女性なのか…
 そう想いながら周りをさり気なく、そしてオスの感覚で観察していく。

 なんだ、皆若いじゃないか、ヤバい、楽しい職場になりそうだ…
 急にワクワクしてきたのである。
 そして昂ぶりを隠しなら、エレベーターの順番に並んだ。

 やはり女性ばかりだからいい匂いがするなぁ、毎日これじゃ堪らないや…
 そうワクワクしていると、ふと、甘い香りを後ろから感じ、思わず振り返る。

 あっ、な、なんて…
 その自分の後ろに立つ女性を見て思わず、ドキンッ、としてしまったのだ。

 スゲぇ、ヤバい、綺麗な人だ…
 




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