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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 58 真実(まみ)⑤

 今日は赤の気分なのか…

 僕は真実のストッキング脚の爪先をしゃぶりながら、目に入ってきた赤いペディキュアに気付きそう思った。

 赤いワンピース…

 真っ赤な艶やかな口紅…

 赤いマニキュア…

 そしてこの赤いペディキュア…

 あと、そうだ赤いハイヒール…

 あっ、バッグも深い紅色といえる色のグッチ…

 そうか、赤なのか、赤い気分なんだ…

 赤…

 愛、愛情、情熱、興奮、色情…

 そして…

 怒り…

 それら全てが赤の総称…

 そんな赤色を全身に纏い、身に付けてきた真実。

 どんな想いを隠し持ってきているのか…

 僕はフェチ的嗜好の心の興奮と、思考の昂ぶりの中、こっそりとこの自身の心の片隅に隠れているもう一人の冷静な自分が、この爪先しゃぶりにより喘いでいる真実を見ながら、そう考えていたのである。

 確か付き合い始めて約四カ月くらいの三回目位の逢瀬の夜に、この真実に、僕の深層に隠していたフェチを見抜かれてしまい、導かれ、ストッキングフェチ嗜好をカミングアウトした…

 そしてその夜から真実はこのストッキング脚フェチという僕の性的嗜好に理解を示してくれて、必ずといっていい程に逢う時にはストッキングを穿いてきてくれていた。

『仕事の必需品だからぁ…』
 と、問いかけに明るくそう話してくれたのだが、僕は気付いていたのである。
 いや、ストッキングフェチだからこそ気付いたともいえるであろう。

 そうカミングアウトしてからは、彼女の穿いてくるストッキングの品質、艶度、全体的なバランス等が、朗かに僕の好みのストッキングに変わったのであったのだ。
 それは多分、彼女の愛情の深さ、優しさの現れだとは思うのだが、おそらく彼女はカミングアウトしてからの僕の視線を観察していたのだろうと思われるのであった。

 僕の視線…

 それはストッキングフェチの男性ならば皆がそうだとは思うのだが、とにかく、街中、電車内、大学内、そしてバイトしているファミレス内のお客さんと、一緒に仕事している女性スタッフ等々、目に入る女性のスカートから伸びる足元のストッキングが気になってしまい、常に女性の脚元を見てしまうのだ。

 そして、自分の好みのストッキングを見かけるとなかなか視線が外せなくなってしまうのである…




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