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　61　進捗状況

「あ、わたしは『コールセンター部』に直行するんでよろしくね
　本社へは午後イチで行きましょう…」
　と、越前屋さんにそう伝え、わたしはコールセンター部へ直行する。

　とりあえず、コールセンター部の
『新規業務』のマニュアル作成が急務なのだ…

「おはよう」
　わたしはコールセンター部のデスクにそう声を掛け…
「昨日はちゃんと定時で帰ったの？」
　と、杉山くんに問う。

「ゆかり部長おはようございます…
　ちゃんと定時で帰ってのんびりしましたっす」
　そう、わたしはコールセンター部では部長なのだ。

「うんそう、よかったわ」
　わたしはそう言いながら営業課の面々を見回す。

「あ、派遣の方は9時半に来る様に言ってあります」
　派遣の方…
　それはつまり、以前のマニュアル冊子を持参し、ウチにとっての初めてのアウトバウンド業務の経験があって、かつ、今回のマニュアル作成が出来るという、あのわたしの『黒歴史』を知る遠藤タカシが所属している外資系人材派遣会社からの派遣社員である『松崎』さんとい女性の事である。

「その松崎が到着次第に直ぐに昨日の続きをしますから…」
　と、営業課の鈴木くんが言ってきた。

「あの以前のマニュアル冊子がありますから、来週半ばにはある程度のマニュアル雛形が完成しそうですよぉ」
　鈴木くんに続いて、その鈴木くんの彼女であり、今回のアウトバウンド業務とマニュアル作成の経験者であり、それを理由に部長枠の特別社員雇用制度を急遽適用した松山美咲ちゃんがそう進捗状況を言ってくる。

「うん、それは嬉しいわね…
　あ、午前中まではわたしもマニュアル作成に参加するから、彼女が来たら呼んでね」
　そう伝え、わたしは部長室へ入る。