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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 161 心から震える昂ぶり(10)

「うん、いや、大丈夫だよ」

「え、で、でも…」
 おそらく律子は、自分の寝落ちによる昨夜に続いての私のニ夜連続の未射精についての詫びなのだろうと思われるのだが…

「あ、うん、全然平気だから、もうそこで若くないから」
 と、少し自虐の意味を込めた笑みを浮かべてそう告げる。

「え、で、でも…あ、あの…」

 だが、本当にそのニ夜連続の未射精という事に関しての、つまりは欲求不満的な疼き等は全く感じてはいなかったのだ…
 いや、おそらくは逆に、ここ約二カ月の異常な私自身のハイペースなセックス事情を顧みると、このニ夜連続の未射精はちょうど良い中休み的なインターバルといえるみたいなのであった。

「あ、も、もしアレでしたら…」
 つまりは、もしも私自身がモヤモヤとしているのなら?
 と、いう意味なのであろう律子が責任感を感じてそう訊いてくるのだが、私は本当に平気であったのだ。

「あ、いや、本当に大丈夫だから…
 それに時間も時間だし…
 もう少し寝よう…」
 そう私は告げて、スッと律子の肩を抱き寄せ、腕枕をしてあげる。

「あ、はい…」
 律子はそう嬉しそうな小さな返事をし、私の胸に顔を押し付け…
「ふぅぅ、甘いわぁ…」
 そしてそう囁いてきた。

「あ、おい…」
 まるでそれは私の加齢臭を嗅がられているみたいで恥ずかしいのだが…
 反面、嬉しい、いや、なんとなく幸せな想いを感じてきていたのだ。

 そしてこの想いにも少しの違和感が…
 いや、戸惑う想いを感じてもいた。

 そう戸惑いの想い、思い…

 それは…

 
 

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