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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 218 心地よさ…

「あ…」
 そして胸元辺りに顔を埋めた。

 本当はキスをしたかった…
 のだが、お互いに起き抜けである、そして昨夜の勢いのままに眠ってしまったから、さすがに自重したのだ。

 まだ、全てを曝け出す程の勇気は無い…

 いや、まだ無かった…

 だが、それだけでも十分であった…

 肌の密着感、脚の密着感、そしてお互いにシャワーを浴びて眠ったからボディーソープの甘い香りが心地よかったから。

「ふうぅ…」
 するとゆかりさんがそう吐息を漏らす…
 お互いの想いは同じなのであろう、そして感極まった想いでの吐息であろう。

「あ、今、何時かしら…」
 そして、少し、機先を変えようとなのか、そう呟き、枕元の時計を見る。

「あら、まだ、8時前なんですね…」

 午前7時55分であった…

「なんかお腹空きませんか?」
 そうゆかりさんが訊いてきた。

「うん…そうね…少し空いたかも…」

 本当は空いてはいないのだが…
 いつまでもこのままベッドでじゃれている訳にはいかないと、おそらくは、お互いに、そう思ったのだと想われる。

 なぜなら…
 またわたしは、疼きを感じてきていたから、そして、多分、ゆかりさんも同じであろうと思ったのだ。

 しかしここは渋谷のホテルである…
 一昨夜のゆかりさんのマンションでは無いのだ、チェックアウトをしなくてはならないから。

 

「支度して、朝ご飯でも食べにいきましょうよ…」

 こうして…

 二夜目の…

 ビアンな夜は終わった…

 だが…

 まだ、二人のお休みは続くのだ…

「ねぇ、今日は?…」
 ゆかりさんが、そう小さな声で訊いてきた。

「え…」

 それはもちろん…

「何の予定も無いですよ…」

 わたしはにこやかに応えた…





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