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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 172 ビアンな夜(74)

 そう、その美冴さんの目は、エロスの女神の如くに妖艶で…
 淫靡で…
 妖しく濡れて輝いていた…

「あ……」
 わたしの心はその目に吸い込まれていく…

 あぁ…
 心が震え、蕩けてしまう…

 そしてその欲情に濡れた瞳がわたしの心を惹き…
 魅了し…
 魅きよせてくる…
 膝の上の握られた手が熱くなってきた…

「やっぱり……ゆかりはかわいいわ…」

 ドキドキドキ…

 欲情に濡れた瞳で見つめられ…
 艶やかな唇からそんな言葉を囁かれ…
 握られた熱い手がゆっくりと膝へと辿っていく…

 ああぁ…

 ドキドキドキ…

 ズキズキズキ…
 全ての五感がその膝を辿ってくる美冴さんの指先の感触に集中し、心が高鳴り、昂ぶってくる。

「ゆかりを…食べたい…」

 ドキドキドキ…

 ズキズキズキ…

 艶やかに濡れた唇を舌舐めずりしながらそう囁いてきた。

 五感は膝の指先に集中し、そのエロスの女神の如くの濡れた瞳に魅せられ、心を吸い込まれ、そして、金縛りの如くに固まり、身動きが出来ない…

「あぁ、食べたい……舐めたい……」

 あ…

 そして指先が膝に触れてきた…

 するとその指先が、いや、人差し指だろう、膝頭をゆっくりと撫で回してきたのだ。

「ん……」
 小さく漏らし、ビクンと震えてしまう。

「ああ、ダメ、我慢できないわ…」

 すると美冴さんはその指先を離し、突然、スッと立ち上がり、踵を返してバーの外へと出て行ってしまったのである。

 えっ…

 あっ…

 な、なに…

 わたしは一瞬パニックになりそうなくらいに慌て、動揺してしまう。

 え…

 美冴さんはどこに行ったの?…

 えっ…

 ドキドキドキドキ…

 あ、そうだ…

『我慢できないわ…』

 確かそう言っていた…

 トイレなのか?…

 ドキドキドキドキ…
 心の高鳴りは、焦燥感の高鳴りに変わっていく。

「あっ…」
 すると美冴さんが戻ってきた。

「部屋…取ってきたの…」

 すると…

 震え上がってしまう様な、妖艶な笑みを浮かべ、わたしの手を取り、そう囁いてきたのだ…

「さあ………行きましょう」

 わたしの心は、既に…
 いや、完全に…
 蕩け…
 溶ろけ…

 融ろけてしまう…

 再び、ビアンな夜が…

 始まる…





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