テキストサイズ

シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 151 まるでデート…

「うん、良いわねぇ、ちょうど観たかったしぃ…」
 だけどわたしは、そんな嬉しさを隠してそう言った。
 本当は、本心は、飛び跳ねる程嬉しいのだが、あまりにもはしゃいでしまったら恥ずかしいと思ったのである。

 いわゆる、スカシたのだ…
 だが、心は高鳴り、昂ぶっていた。

「良かったぁ…」

「じゃぁ、どうしようかぁ」

 本音は逢えるなら、逢ってくれるなら何でもよい…

「間を取って渋谷はどうですか?」
 すると、ゆかりさんはそう提案してきた。

 わたしは世田谷エリア、そしてゆかりさんは大田区の羽田エリア住みであるから、簡単にいえば渋谷は中間地点といえる。
 それに渋谷駅はわたしの通勤経路てもあった。

「渋谷で映画観てぇ、お買い物してぇ、そしてご飯もかぁ…」

 わたしは思わずそう呟いてしまう…
 これはわたしの大学生の時の、デートの順番であったのだ。
 
 渋谷で待ち合わせ…
 そして映画…
 この懐かしい流れに、思わず言葉が漏れてしまったのである。

「あ、はいっ…」
 だが、ゆかりさんは嬉しそうな声で返事をしてくれたのだ。

 そしてわたし達は3時に渋谷で待ち合わせの約束し、電話を切った。

 ドキドキと心が高鳴り…

 そしてワクワクになった…

 まるでデートだ…

 いや、デートなのだ…

 大好きな人とのデートであるのだ…

 時刻は午後1時半過ぎ…
 今度は、さっきまでとは打って変わり、時間の余裕が無くなった。

 ああ、何を着て行こうか…

 化粧はどうしようか…

 楽しい昂ぶりである…

 ワクワク感が止まらない。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ