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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 130 ビアンな夜(71)

 ああ、ダメよ、まだよ…
 
 まだまだみさえを愛したいのに…

 するとそう必死に思い、なんとか抗おうと想っている脳裏の隅に、なんと一瞬、彼の、大原浩一本部長の顔が浮かんできたのである。

 えっ、な、なんで?…

 そう戸惑ったのだが、直ぐにその彼の顔が浮かんだ理由が分かったのだ。

 そう、あの時だ…

 あのみさえさんがまだ『黒い女』という不惑な存在であり、それによる反動の欲情で抱かれていた逢瀬の夜に、わたしのエス的なスイッチが突如入ってしまい一方的に彼を攻め、責めていた時に、彼はそのわたしからの愛撫に、それによる限界的な昂ぶりから逃れる為に、このみさえと同じ様に爪先の親指攻撃を仕掛けてきて、そしてわたしはその親指攻撃に一瞬で怯んでしまった事があったのだ…

 だからか…

 だから彼の顔が浮かんだのか…

 だが…

 今は…

 彼は、彼の顔は、いや、存在感自体が…

 邪魔なんだ…

 今は、このみさえとの二人だけの愛に溺れたいんだ…

 あ、そうか…

 いつも…

 いつも、彼に愛され、感じてきた様に…

 みさえを愛し…

 弄り…

 攻め、責めればいいのか…

 そうか…

 そうだ…

 わたしはそう閃き、想い、そして堪らない快感を生んで、心を蕩かしてしまう程のこのみさえの爪先の攻撃の刺激を…


 必死な想いで、腰をズラし、動かして外した…
 そして、間髪を入れずに再び唇を、舌先でみさえのクリトリスを攻めていく。

「はぁんっ、っくう……」
 再びみさえは激しく喘ぎ、震え、身悶えをしてきた。

 そう…

 わたしは一番、このクリトリスが感じるの…

 だから…

 だから、みさえだって間違いなく敏感に感じる筈なんだ…

 そして舌先でクリトリスを激しく弄り、人差し指と中指も中に挿入れて、グリグリとグラインドさせていく。

 グチュ、ニュチャ、ニチャ…

「あっ、やん、ゆ、ゆかりぃ…」

 そう…

 わたしだって、さっき、それが感じたんだから…

 それでイッたんだから…

 再び落ち着きを取り戻したエス的な思考が…

 衝動が…

 そう心の中で囁いていた。

 もっともっと…

 みさえを感じさせたい…

 イカせたい…

 狂わしたい…

 そして…

 愛したい…

 みさえが愛おしい…




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