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シャイニーストッキング

第3章 絡まるストッキング2 美冴

 19 出向

 彼を、健太くんをスペアとしてキープしておくべきなのか…
 冷静に考えると大原本部長と武石健太の二人しかわたしの周りにはいないのだ。

 それとも二人には頼らずに、自慰行為でなんとか乗り越えていくべきなのか…
 悩みは尽きない。

 昼休みが終わり、仮の準備室に戻ると大原本部長が来ていた。

「お疲れさまです…」
 わたしは出来るだけ普通に対応する。

「ああ、お疲れさま」
 彼も普通に応えてきた。
 そしてさっきまで電話で話していた健太くんも会議室にいたのだ。

「だいたいリストアップは終わりました、一応、本部長もチェックして下さい…」
 そうゆかり部長が言う。

「うん、だけど私は保険会社の人間しか顔が一致しないから、本社組の人選はゆかり部長に任せるよ」
「ああ、はい、じゃあ、そうしますね…」
 そう言って本社組のリストアップをプリントアウトする。

「保険会社組はアレでいいだろう」
「はい、わかりました」
 と、越前屋朋美が応えた。

『新規事業計画プロジェクト計画準備室』
 総勢25名の人選が決まったのである。
 既にここの6名の他に、吸収合併した保険会社側から8名、残りを本社側から11名の合計25名。
 男性7名、女性18名とほぼ2対1の比率でリストアップが終了した。

「よし、このリストを今から私とゆかり部長とで本社人事部に持って行って、簡単な稟議を取って、明日の正式な人事異動辞令にしてくるから」
 そう言って二人は行ってしまったのだ。
 そして残ったわたし蒼井美冴と、越前屋朋美、武石健太の三人は別々な宿題的な仕事をしていく。
 わたしはSE、システムエンジニアの中島彩美さんとプログラムの続きの作成をする為に、保険会社へと出向する事に。
 そして越前屋さんと健太くんの二人はリストアップしまメンバーの最初の役割分担の割り振りを作成するのである。

「じゃあいってきます…」
 わたしは保険会社のある汐留へと向かった。

 SEの中島さんによると、新しいネット型保険契約システムプログラムはかなり進展しているらしいのだ。

 わたしが某大手旅行代理店時代に作ったネット型の旅行申し込み、販売システムの雛形が、かなり有効らしく、中島さんの作ったシステムプログラムとうまく融合して核心的なプログラムに変貌しつつあるらしいのである…




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