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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く



「うっ……条件……?」



なんだろう。
厳しそうな予感がして、ぎこちなく、吹田先生の次の言葉を待つ。


「外で万が一のことがあるから、医師か看護師を同伴させる」


つまり、1人で外出ではない、ということである。


「げっ……。誰をです……?」



残念な気持ちがなくはないが、吹田先生の言うことは絶対だ。
頭の中に親しい看護師さんやお医者さんを想像する。

できれば優しい人がいい。
優しい先生と思って思い浮かべれば、一緒に外出するなら……。



「うーん、今ならまだ選べるよ。誰がいい?」



呑気に、吹田先生は言う。



「え……! いや、そんなこと急に言われても……」






と、口ごもりつつ、頭の中に浮かぶのはただひとり。






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