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ほしとたいようの診察室

第7章 回想、主治医の苦悩



そして、夜。

病室に訪れると、のんちゃんはまだ起きていた。


「ようたせんせー」

「ん?」

「ねむれないの」


午前も午後も、横になって過ごしていたのもある。眠れなくても仕方ない。


「そっか、今日はいっぱい眠かった?」

「うん。あのね、あそびたかったけど、ねむいの」


そう言って、だるそうにあくびを繰り返した。

少し撫でていたら、眠りそうだな。

そんな様子だった。



「うん、いっぱい寝られることも大事だからね。お腹空いてない?」


「おなかすかない」


「そっか〜」


言いながら、額と首元に触る。



「ちょっとお熱測るよ」



パジャマのボタンを開けて、体温計をのんちゃんの脇に挟む。


静かな病室に、電子音が鳴り響いて。


……37度5分。
熱は、急激に上がることもなければ、下がることもない。

サチュレーションは悪くない。





やはり、血液の薬の副作用からくる、体調不良だった。




明日、なにも食べられなかったら……かわいそうだけど、点滴かな。



そんなことを思いながら、のんちゃんの頭を撫でる。




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