ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
『せんせー、のんちゃん、なんかねむい』
これは今日の昼間のこと。
のんちゃんに言われて、首元に触ると、じんわりいつもより熱を持っていた。
体温計を挟むと、37度6分。
微熱があった。
のんちゃんは、感じているだるさを表現するのに、まだ十分な言葉を持っていない。
この体調不良を、「ねむい」という言葉で表していて……。
静かに、病室のベッドに横になっていた。
ご飯も、喉を通らないようだった。
『おなか、いっぱい』
まだなにも食べていないうちから、そう言って起き上がりもしなかった。
朝からそんな感じだったので、今日は合格ラインギリギリの水分量しか摂れていない。
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