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ほしとたいようの診察室

第7章 回想、主治医の苦悩





「ん。よーたせんせ、だっこして。」





のんちゃんは、目にいっぱいの涙を溜めて、抱っこを求めてくる。

優先生からのんちゃんを受け取ると、



「えらいよ、のんちゃん」



頭を撫でる。





のんちゃんは……

少しだけ大人になったようだった。





「のんちゃん、なかないもん」




のんちゃんが、そう言って腕をまっすぐ前に出す。目を瞑った拍子に、二粒だけ、両の目から涙がこぼれ落ちる。








……それは紛れもなく、のんちゃんの成長の瞬間だった。







……

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