テキストサイズ

ほしとたいようの診察室

第6章 回想、はじめまして



その、直後だった。

休憩室に看護師が現れて、優先生を見るなり急用を伝えた。




「あ、優先生! 白河咲ちゃんの学校の方がお見えになってて、先生と話したいと……」


「誰だ? 担任か?」


「ええ、そうだと思います。若い方だったので」



「井田か……すぐ行く」



その、大量の砂糖入りコーヒーをひと息で飲み干すと、頭を振って、さっさと休憩室から出ていった。




ここまで頭を抱える優先生を見たのは初めてだった。





……なにか、相当参っているらしい。





優先生が置いていったカルテに目を落とした。

俺は、その丁寧につくられたカルテに、感嘆のため息を漏らしていた。





……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ