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ほしとたいようの診察室

第6章 回想、はじめまして

……





「ごめん、陽太先生。のんちゃんの担当、交代してもらってもいいか?」





翌日の休憩中、優先生は言った。

優先生の負担を少しでも軽減するため、のんちゃんの主治医を俺に交代することにしたのだ。


「のんちゃんですね、大丈夫ですよ。昨日の子……大変でした?」


聞くと、優先生は渋い顔のままだった。


「状態は安定してきたが……、今後のことがちょっと気掛かりでな……」






あとに聞いた。それは、優先生の人生すらも揺るがす、のっぴきならない事態だったことを。





「わかりました、お任せください」


基本、頼まれたことは断らない。
情けは人のためならず、そんなことを思って、二つ返事で了解した。





のんちゃんの主治医。






……不安がなかったとは、言いきれないけれど。




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